古色迷宮輪舞曲 感想

 電脳世界で絶賛されていたのでミーハーな僕は薦められるがままにプレイすることに、萌えゲーとか好きですし迷いはなかった。やってやろうじゃん、この世界の歪み、矯正してやるっ!意気込んで始めたはいいが、死ぬ、死ぬ、死ぬ。おかしい、僕はただ紅茶を淹れていただけなのになんでこんなにデッド・エンドになるの?もしかして:くそげー ですか。そんな疑念に押しつぶされそうになりながらもサキちゃんかわいいから頑張る。オレ、ガンバルヨ。っていう感じでこの死にまくるシステムにも慣れて序盤すぎればそれほど詰まることなくキーワード投げ捨てサクサク進めましたね。ヒロインたちの感想です。しかしこのゲームのヒロインは実質サキ一人で他は脇役どまりなストーリーなんで特筆すべきことは少ない気がします。僕はこういう完全に一強ヒロインなゲーム嫌いじゃないです。それでは
  『一葉』
 小動物的後輩。立ち絵とかイベントCGとか時折バグッてるような容姿を見せつけてくるのが特徴的な彼女です。この作品の犠牲枠です、というかサキ以外は全員そうなんですがとりわけイメージが強いですね。彼女の運命量を奪い取ることによって救われる人がいるんだってことで死にまくります。作品を通していい子ちゃんなんだけどいい子っていうのは利用されるためにあるような立ち位置になってしまうので悲劇ですよね。運命を受け入れ笑顔で身代わりを引き受けるところだけはぐっ、と来ましたよ。それでも糧になるのだ。ばぁん。
  『和奏』
 幼馴染枠。頭が多少切れるがぼっちのかわいそうなこ。彼女も主人公のためにいろいろ働いてくれるけど結局は幸せとは遠いところに存在することになること多々。ぼっちっていうのが言われているだけで作中ではあんまり関係なかった。もっと友達いないお話をするべきでしたね。あと重要だったのは和奏の髪飾りがギギアルみたいっていうことです。ばぁん。
  『姫野美月・美星姉妹』
 姉は斬ル斬ルKILLERのシスコンヤンキーです。序盤から執拗にサキや他の人々の命を執拗に狙うさまはサスペンスです。この物語の中核を担うべき人物ですがいかんせんキチっぷりがひどいので僕はこわいこわい思いをするはめになっちゃいましたよ。物語の最後はハッピーエンドでなければならないと思ってるのだが、この姉妹に関してはむつかしい。どう転んでももう手放しにウルトラハッピーだよっ!とは喜べない状態までズタボロになってるのである。それでもあのラストシーンはその中で救いのある道だったのだろうか、ぼくはよくわかりませんが美星さんのエロシーンがなかったのだけは許されないと思いました。
  『名波咲・サキ』
 この作品は咲からはじまって咲でおわる。まさに正ヒロインにあるべき姿でした。最後のほうにジャン=バティスト・リエーブルマン男爵の存在が否定されるところだけが悲しいところでした。そうしてみんな大人になっていくのですね。やっぱりヒロインが一番かわいいのが最高ってこと。真理がそこにある。
 シナリオやシステムについて。ここからネタバレ。いままでも多少あったような気がするが気にするほどでもないようなことだったとおもいまーす。
 決められた7日間をループし、最悪の結末を回避し元通りの平和で幸せな日常に戻そうっていうお話はループものだと基本的な構図になるとおもいます。それにキーワード投げかけシステムを組込ことでシナリオともリンクしプレイヤーに驚きを与えるシナリオというのは悪くないですね。ただ、このキーワード投げかけシステムが思ったよりも難解で、これを間違えるとすぐに人々が死にENDです。やさしくない。でもこの死にまくり状態に陥ると登場キャラの死を薄く感じていき次第にプレイヤー自ら運命量調整のためにわざと間違えて殺したり、そういう感覚になって行くのもこの作品では正解な気がします。少しずつ少しずつ狂っていかないとこの世界の歪みを解消できない。そんな風に思わせるいいシステムだったと今では思えます。さらに、強制オートセーブというやりなおし否定システムのおかげでそれはもう間違いなく死にゲーと認識されますね。途中どうしようもなくなりすべてをなかったことにする選択肢を選んだ僕はちょっと凹みましたね。中盤戦からどんどん今までの謎が解け、伏線が回収されて、これからのラストをどう締めるか、そういう考えの中でのリセットですからね。良ゲーです。めんどくさくなってきました。
 『クオリア
 この言葉はとても重要なんですがいまいち理解できなかったような気もする。しかし結構このクオリアという言葉自体は耳にする機会あったのではないでしょうか。ヴァンガードでもレンがサイクオリアうんたらかんたら言ってましたし、ライトノベル業界ではかなりの有名作品に『紫色のクオリア』というのもあります。初耳の人は自分で調べてみよう。『ココロ震える出会い。人は未知なるクオリアを探す。』ででーん
  まとめ
 すぐに気力がなくなってしまうのが僕の悪いところなんですが、この作品なんだかんだいって3,4日あれば消化できるボリュームなんでとてもおすすめです。シスコンの人はやりましょう。そして命がけで美味しい紅茶を淹れるんだ。

あえて言わせてもらうならば――“悲劇” へようこそ、だ

このセリフで僕は全部通してやろうって気持ちになれました。日常で使って行きましょう。